木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾の運営事務局です。
声優・ナレーター・俳優として活躍されている大塚明夫さんが、東洋経済オンラインに寄稿された文章でとても印象的なことを書かれています。
そもそも、声の良しあしなんてものは作品を見る人が判断することではないでしょうか。自分から聞かせにかかっても台詞が噓くさくなるだけです。噓くさい台詞は人の胸を打ちません。そして、人が本当に「いい声だ!」と感動するのは、芝居自体がその人の胸に刺さったときのはずなのです。なぜみんなそこに気づかないのでしょう?
大塚明夫「プロ声優と素人を分かつ決定的な差」-「いい声」に囚われる限り人の心は動かせない
先日お越しいただいた特別講師の松田先生も、同じようなことをおっしゃっていました。
ある受講生は松田先生の授業後に、
自分の出したい声を出すのではなく、作り手が望んでいることに答えることが仕事なんだと思いました。作り手が望んでいる、声や話し方を出す!!
受講生の感想より
と言っています。
最も大切なことは何か。
人と違った声を出せることが声のプロではありません。声のプロとは、求められている声を出せる人のことです。
自分のために自分の出したい声を出すスキルではなく、求められている声を出せるスキルを追求しなければなりません。
かわいい声を出せる、かっこいい声を出せる、人とは違った声を出せる…とは、違います。
同じ記事の中で、大塚さんはこのようにも記しています。
普通じゃない声で喋る、ということだけなら素人さんだってできるのです。そんなものは役づくりではありません。
大塚明夫「プロ声優と素人を分かつ決定的な差」-「いい声」に囚われる限り人の心は動かせない
木村きょうや先生は、先日「自分はテレビ・ラジオに育ててもらった」という旨のお話をされていました。
だからこそ、メディアの世界で求められている声というものを理解し、それはどのようなものかを受講生の個性に合わせて教えることができるのではないでしょうか。